サプライヤーエンゲージメント評価(SEA)とは? 気になる概要をサクッと解説! 

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サプライヤーエンゲージメント評価とは? 気になる概要をサクッと解説!

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サプライヤーエンゲージメント評価とは

サプライヤーエンゲージメント評価(SEA|旧称SER)とは、企業が気候変動に関してどのようにサプライヤーと関係を構築し、サプライチェーン内における削減活動に向けて取り組んでいるかをCDPが評価し、A~Fでスコアを付与する評価制度のことです。サプライヤーエンゲージメント評価専用の質問書があるのではなく、CDP気候変動質問書の回答に基づき評価されます。

この評価は2016年に導入され、2024年で8回目の発表。2018年まではCDPサプライチェーンメンバーと顧客企業の要請に基づきCDPに回答している企業が対象でしたが、2019年以降は投資家の要請のみに基づき回答している企業にも対象が広がりました。

サプライヤーエンゲージメント評価導入の背景

この評価導入の背景にあるのは、企業がサプライヤーエンゲージメント戦略を考える際に直面する、下記のような課題です。

  • 持続可能なサプライチェーン管理のベストプラクティスがどのようなものかわからない
  • 気候変動に関するサプライヤーエンゲージメントについて評価を得られると思っていない

サプライヤーエンゲージメント評価は、これらの課題解決を通して、購買組織・企業間のエンゲージメント強化に貢献。さらにベストプラクティスを選定することで、グローバルサプライチェーンにおける排出量削減の取り組みを推進することを目指しています。

サプライヤーエンゲージメント評価の基準

では実際、サプライヤーエンゲージメントはどのような基準のもと評価されるのでしょうか?基本的には CDP質問書内の以下5つの主要分野の回答に基づいて評価されます。

  • リスク管理プロセス
  • ガバナンスと事業戦略
  • サプライヤーエンゲージメント
  • Scope3排出量算定
  • 目標

サプライヤーエンゲージメント評価におけるウェイト

具体的なウェイトは下記の通りです。

サプライヤーエンゲージメント評価におけるウェイト
出典:「2025 CDP Supplier Engagement Assessment Introduction. (2025, July 2). CDP.」を基に弊社にて作成

サプライヤーエンゲージメント評価の閾値(しきいち)

前述した5分野の回答は上記ウェイトに基づき評価され、最終的には以下の閾値に従ってサプライチェーンエンゲージメント評価に換算されます。

サプライヤーエンゲージメント評価の閾値
出典:「2025 CDP Supplier Engagement Assessment Introduction. (2025, July 2). CDP.」を基に弊社にて作成 

評価のポイント

サプライヤーエンゲージメント評価で最高評価を獲得するためには、顧客企業または投資家からのCDP回答要請に基づく情報開示内容を一般に公表することがマスト。

その一方で、フォレストや水セキュリティ、サプライチェーン追加質問(気候変動/フォレスト/水セキュリティ)への回答内容は、サプライヤーエンゲージメント評価の評価対象外となるので注意しなければなりません。

その他採点基準の詳細や各質問の配点は、今後CDPウェブサイトガイダンスページ上に更新される予定です。(※2025年版のサプライヤーエンゲージメント評価基準はこちらからご確認いただけます)

結果公表

サプライヤーエンゲージメント評価では、CDPの他のスコアリングと同様A~Fのスコアを付与。その一方でスコアは一般には公開されず、回答企業とその企業に要請を行った企業のみにフィードバックと共にメールで通知されます。

ただ最高評価のAを獲得した企業に関しては、CDPサプライチェーンレポート内で公表。「サプライヤーエンゲージメント・リーダー企業」として掲載され、自社の評価を対外的にアピールすることができ、優秀企業用のCDPロゴ等も提供されます。

まとめ

CDPは今後、他のスコアリング基準のようにサプライヤーエンゲージメント評価の評価基準を逐次修正し、さらに強化していく姿勢を示しています。実は自社の直接排出量の11.5 倍にあたると試算されている、企業活動の上流排出量。その影響力の大きさやCDPの姿勢も踏まえ、企業側は今後CDP評価だけでなくサプライヤーエンゲージメント評価も気にしていく必要が出てくるかもしれません。

株式会社エスプールブルードットグリーンでは、CDP質問書に回答される企業様のご支援を行っております。また他にも、カーボンオフセット支援やCO₂排出量算定など、環境への取り組みをトータルでサポートする様々なサービスを展開。「もっと具体的に知りたい!」「自社だけでは難しいかも」などご要望がありましたら、ぜひお気軽にお問合せください。

Q&A

サプライヤーエンゲージメント評価(SEA)とは?専用の質問書はありますか?
SEA(旧SER)は、CDPが企業のサプライヤーとの気候変動対応への関与度をA〜Fで格付けする評価制度です。
専用の質問書はなく、CDP質問書への回答内容から評価されます。2025年評価の対象はこの質問票に回答した企業であり、SME質問票のみでは評価対象外です。
何を基準にどう採点されますか?(評価分野・ウェイト・閾値)
SEAスコアは以下の5分野の加重スコア合計によりA〜Fで格付けされます。
  • リスク管理プロセス:15%
  • ガバナンスと事業戦略:15%
  • サプライヤーエンゲージメント:35%
  • Scope3(検証含む):20%
  • 目標:15%
森林・水セキュリティや追加のサプライチェーンモジュールは評価対象外です。
評価の閾値例:
A=76–100%、A−=66–75%、B=56–65%、…、F=0%
結果は公開されますか?「リーダー企業」に載る条件は?
SEAスコアは原則非公開で、評価結果は回答企業と要請元のみに共有されます。
ただし、A評価を取得し、かつ要件を満たすと「Supplier Engagement Leaderboard」で公表されます。要件には、CDPへの回答が顧客または投資家からの“公開要請”に基づくことが含まれます。

2024年サプライヤーエンゲージメント・リーダー企業(日本)一覧

2024年サプライヤーエンゲージメント・リーダー 日本企業一覧(256社)
※「Supplier Engagement Assessment 2024.CDP.(参照日2025.07.10)」を基に弊社にて和訳・作成
アドバンス・レジデンス投資法人株式会社大和証券グループ本社
イオン株式会社株式会社デンソー
イオンモール株式会社DMG森精機株式会社
AGC株式会社株式会社DTS
株式会社アイシン株式会社荏原製作所
味の素株式会社エーザイ株式会社
株式会社アルファシステムズEIZO株式会社
アルプスアルパイン株式会社エスペック株式会社
ANAホールディングス株式会社エクシオグループ株式会社
アンリツ株式会社株式会社ファーストリテイリング
青山商事株式会社株式会社フォーバル
株式会社あおぞら銀行株式会社エフピコ
アサヒグループホールディングス株式会社富士電機株式会社
株式会社アシックス不二製油グループ本社株式会社
アスクル株式会社富士フイルムホールディングス株式会社
アズビル株式会社株式会社フジクラ
株式会社ベルシステム24ホールディングス株式会社フジタ
株式会社ベネッセホールディングス富士通株式会社
ブラザー工業株式会社古河電気工業株式会社
キヤノン株式会社GMOフィナンシャルゲート株式会社
カシオ計算機株式会社GMOペイメントゲートウェイ株式会社
中外製薬株式会社H.U.グループホールディングス株式会社
シチズン時計株式会社白銅株式会社
コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス株式会社株式会社博報堂DYホールディングス
コスモエネルギーホールディングス株式会社株式会社長谷工コーポレーション
大日本印刷株式会社株式会社日立ハイテク
大同特殊鋼株式会社株式会社日立製作所
株式会社ダイフク本田技研工業株式会社
第一三共株式会社いちご株式会社
ダイキン工業株式会社産業ファンド投資法人
株式会社ダイセキインフロニア・ホールディングス株式会社
大東建託株式会社株式会社三越伊勢丹ホールディングス
大和ハウス工業株式会社株式会社伊藤園
大和ハウスリート投資法人伊藤忠商事株式会社
J.フロント リテイリング株式会社三菱電機株式会社
日本航空株式会社三菱地所株式会社
日本都市ファンド投資法人三菱地所物流リート投資法人
日本郵政株式会社三菱マテリアル株式会社
日本プライムリアルティ投資法人三菱自動車工業株式会社
ジャパンリアルエステイト投資法人三井物産株式会社
日本たばこ産業株式会社三井不動産株式会社
上新電機株式会社株式会社商船三井
株式会社ジェイテクト株式会社みずほフィナンシャルグループ
カゴメ株式会社森ビル株式会社
鹿島建設株式会社株式会社村田製作所
花王株式会社ナブテスコ株式会社
川崎重工業株式会社長瀬産業株式会社
川崎汽船株式会社株式会社中山製鋼所
KDDI株式会社日本電気株式会社
キッコーマン株式会社日本ガイシ株式会社
キオクシアホールディングス株式会社ニチコン株式会社
キリンホールディングス株式会社ニチレキグループ株式会社
株式会社 KOKUSAI ELECTRICニデック株式会社
株式会社小松製作所株式会社ニコン
株式会社小森コーポレーション日本化薬株式会社
コニカミノルタ株式会社日本生命保険相互会社
株式会社コーセー日本道路株式会社
株式会社熊谷組日本板硝子株式会社
京セラ株式会社日本新薬株式会社
ライオン株式会社日本電信電話株式会社
株式会社LIXIL日本郵船株式会社
LINEヤフー株式会社西松建設株式会社
マレリホールディングス株式会社日産自動車株式会社
丸紅株式会社NISSHA株式会社
株式会社丸井グループ日清食品ホールディングス株式会社
丸一鋼管株式会社日本特殊陶業株式会社
松田産業株式会社日東紡績株式会社
株式会社 明電舎野村不動産ホールディングス株式会社
明治ホールディングス株式会社株式会社野村総合研究所
明治安田生命保険相互会社株式会社ノーリツ
三菱ケミカルグループ株式会社株式会社NSD
三菱商事株式会社株式会社NTTデータグループ
株式会社大林組信越化学工業株式会社
オイレス工業株式会社品川リフラクトリーズ株式会社
株式会社オカムラ 塩野義製薬株式会社
オリンパス株式会社株式会社資生堂
小野薬品工業株式会社シークス株式会社
株式会社オリエントコーポレーション株式会社すかいらーくホールディングス
オリックス株式会社SMC株式会社
オリックス不動産投資法人ソフトバンク株式会社
大阪ガス株式会社ソフトバンクグループ株式会社
大塚ホールディングス株式会社ソニーグループ株式会社
太平洋工業株式会社住友ベークライト株式会社
パナソニックホールディングス株式会社住友化学株式会社
五洋建設株式会社住友電気工業株式会社
ペプチドリーム株式会社住友林業株式会社
株式会社ポーラ・オルビスホールディングス住友重機械工業株式会社
プロテリアル株式会社住友生命保険相互会社
株式会社リクルートホールディングス住友金属鉱山株式会社
ルネサスエレクトロニクス株式会社住友理工株式会社
レジル株式会社 住友ゴム工業株式会社
株式会社リコー住友精化株式会社
リコーリース株式会社サントリーホールディングス株式会社
ローム株式会社シスメックス株式会社
株式会社三陽商会T&Dホールディングス株式会社
山陽特殊製鋼株式会社太平洋セメント株式会社
サッポロホールディングス株式会社株式会社大気社
SCSK株式会社大成建設株式会社
セコム株式会社太陽誘電株式会社
セイコーエプソン株式会社宝ホールディングス株式会社
セイコーグループ株式会社高砂香料工業株式会社
積水化学工業株式会社高砂熱学工業株式会社
積水ハウス・リート投資法人武田薬品工業株式会社
積水ハウス株式会社株式会社竹中工務店
SGホールディングス株式会社TDK株式会社
シャープ株式会社鉄建建設株式会社
新日本空調株式会社テルモ株式会社
日清オイリオグループ株式会社株式会社ユナイテッドアローズ
横浜ゴム株式会社株式会社ビジョン
TIS株式会社ワタミ株式会社
東亜建設工業株式会社株式会社ウェザーニューズ
戸田建設株式会社株式会社ヤクルト本社
東北電力株式会社ヤマハ株式会社 
東京海上ホールディングス株式会社ヤマシンフィルタ株式会社
トクセン工業株式会社ヤマトホールディングス株式会社
株式会社トクヤマ株式会社安川電機
東京ガス株式会社YKK株式会社
東京製鐵株式会社横河電機株式会社
東急建設株式会社株式会社ヨータイ
東急不動産ホールディングス株式会社株式会社ZOZO
TOPPANホールディングス株式会社
トピー工業株式会社
株式会社東芝
TOTO株式会社
東洋紡株式会社
豊田合成株式会社
トヨタ紡織株式会社
株式会社豊田自動織機
トヨタ自動車株式会社
豊田通商株式会社
テイ・エス テック株式会社
株式会社TSIホールディングス
株式会社椿本チエイン
株式会社ツムラ
UBE株式会社
ユニ・チャーム株式会社

監修者のプロフィール

榎本 貴仁の写真
榎本 貴仁
(株)エスプールブルードットグリーン 執行役員 営業本部長 兼 環境経営推進本部長

CDP回答やGHG排出量算定など、環境経営に関するコンサルティングサービスの営業本部長を務めています。

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