さらなるイメージアップに繋がる!SBT認定とは?

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気候変動対策の次なるステップ、SBT認定

前回のコラムではCDPにおけるスコアアップ方法を紹介しました。実はCDPのように数的目標は掲げず「スコアリング」を目的とする団体がある一方で、明確な目標を設定するイニシアチブもあります。それがSBT認定です。

CDPへの回答が、企業の気候変動への意欲を示す第一歩であったとすれば、SBT認定は、その意欲を具体的な数値目標に昇華させ、更なるスコアアップを目指す次のステップと言えるでしょう。さて、そんなSBT認定には、どのようなポイントがあるのでしょうか?それを詳しくご紹介します。

SBT認定を取得するための、6ステップ

そもそもSBTとは「パリ協定が求める⽔準と整合した温室効果ガス排出量削減を目指す、国際的な削減目標」のこと。“パリ協定が求める水準”とは、「世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準に抑え、さらに1.5℃に抑える努力をすること」を指します。

では実際にSBT認定を取得するには、どのような対応が必要なのでしょうか?この項目では、SBT認定を取得するための大まかな手順を説明いたします。

【1】Commitment Letter(※)を事務局に提出(任意)

※「2年以内にSBT認定を取得する」と宣言する書類

【2】目標を設定し、申請書を事務局に提出

【3】SBT事務局による目標の妥当性確認・回答(有料)

【4】認定された場合はSBT等のウェブサイトにて公表

【5】排出量と対策の進捗状況を年一回報告し、開示

【6】定期的に、目標の妥当性を確認

※大きな変化が生じた場合は必要に応じ目標を再設定(少なくとも5年に1度は再評価)

また、SBTの認定を取得するには、様々な要件を達成する必要があります。今回は、その中からいくつかの重要な項目を下記の表にまとめました。

SBT認定を取得するための条件

これらの要件を満たしSBT認定を取得すれば、積極的な気候変動対策をしている企業であることをアピールすることに繋がります。

SBT参加企業は、世界全体で年々増加

SBTの情報によると2022年12月1日時点で、認定企業は1,982社、コミット企業は2,115社。合計4,097社がSBTに参加している状況です。2021年度に比べると、認定企業は595社で93%、コミット企業は766社で115%増加しており、過去最高の記録を達成しています。ちなみに「認定企業」とはすでにSBTに目標が認められた企業のことを指し、「コミット企業」とは2年以内にSBT認定を取得することを表明している企業のことを指します。

累計企業数グラフ

このようにSBT参加企業は年々増加中。そして日本もその例外ではありません。国別で見ると、この1年でSBT認定を取得した企業数が最も多かったのは日本で201社。次いでイギリスが181社、アメリカが109社という結果になりました。この結果から、SBT認定・コミットメントにおいて、世界各国に比べ日本企業が非常に積極的に取り組んでいることが分かります。

SBTに取り組む3つのメリット

参加企業が年々増えているSBTですが、取り組むことにはどのようなメリットがあるのでしょうか?ここではSBTへの取り組みを通して得られる3つのメリットについてお伝えします。

【1】CDPスコアの評価向上

2017年以降、CDPではSBTに関する質問を追加。SBT認定を取得した場合、CDPの評価基準にある「リーダーシップ」ポイントにおいて得点を獲得し、最高位のスコアAに近づくことができます。実際2021年のCDP気候変動質問書では、多くの企業がSBT認定によりスコアアップを達成。スコアAを取得した全56社のうち、SBT認定企業は47社、コミット企業は4社という結果となりました。さらにCDPでハイスコアを獲得することによって、投資家からの評価もアップ。結果的にESG投資促進にも寄与すると言われています。

たとえばCDP気候変動質問書でスコアAを維持しているランド・セキュリティーズ(英国不動産業)もSBT認定を取得。「最新の科学に沿って目標を更新し続ける限り、私たちの目標は、今後50年、投資家の要求に対して私たちの事業を確実なものとしてくれます。」と述べ、SBT認定を取得した結果、投資家との関係強化に成功し長期的な投資の見通しが立ったことを公表しています。

【2】ビジネスリスクの低減・機会獲得

たとえば内装建材を製造している朝日ウッドテックは、大手取引先から要請を受けてSBTの認定を取得。というのも取引先のリスク意識が高い場合、サプライヤーに対しても野心度の高い目標や取り組みを要求することがあるのです。そのためSBT認定の取得がリスク意識の高い顧客の要望に応える手段となることも。自社のビジネス展開におけるリスクを低減し、機会を獲得することに繋がります。

【3】調達リスクの低減

SBT認定では、サプライチェーン全体の目標を設定。その目標をサプライヤーに共有することで、サプライチェーンの調達リスク低減へ繋げることができます。

たとえばシリアル食品で有名なケロッグは、Scope3の総排出量を、2015年を基準年として2030年までに20%、2050年までに50%を削減すると宣⾔。⽬標を設定して以来、排出量や調達物に関するCDPの質問に答えるようサプライヤーに奨励をしています。すでに400社超とエンゲージメントを促進し、全サプライヤーに全体的なScope3⽬標を設定するまでに至りました。

【4】グリーン化に繋がる社内イノベーション

SBTの削減目標を達成する際には、省エネや再エネ、働き方改革などといった変革が必要不可欠。洋上風力発電で世界最大手のデンマーク企業「Ørsted」は、もともとは化石燃料に固執した事業を展開していました。しかし、気候変動対策とGHG排出削減が求められる中で、完全な再⽣可能エネルギー企業へと事業転換するという目標を設定。その目標の大部分は、SBT基準に照らし合わせてGHG排出量削減を実施していくこととなりました。

GHG排出量を削減していくために、2023年までにすべての発電所で石炭の使用を停止し、上流の石油・ガス事業を売却。細かい実績として、2006年以来、発電所での石炭消費量を82%削減し、 2023年までに石炭を完全に廃止予定としています。SBT目標を設定することは、「再生可能エネルギー市場における強力なプレーヤーとしての地位を確立し、気候リスクをビジネスチャンスに変えることができた」とコメントしています。

このように企業のSBT認定取得は、投資家や取引先といったステークホルダーに対して、持続可能な企業であることを分かりやすくアピールすることや、大きな社内変革を促すことに繋がります。その結果、サステナビリティにおける評価向上や、リスク低減・機会獲得が叶うのです。

SBT認定の存在は、ますます大きく

今回のコラムではSBT認定の概要や取得までのステップ、取得することで得られるさまざまなメリットについて紹介してきました。多方面に対してメリットがあり、取得企業も年々増加しているSBT認定。取引先に取得を要請された事例からも分かるように、その存在感が大きくなっていることは明らかでしょう。いざ要請された時困らないよう、まずはSBT認定を知ることから始めてみることをおすすめします。

出典:

『SBT(Science Based Targets)について. (2022, December 1). 環境省.』

『カーボンニュートラル実現に向けた関西企業等の取組事例. (2023, August 16). 経済産業省近畿経済産業局』 

『SBTi監視レポート2022. (2024, August). SBTi.』 

ブルードットグリーンのサービスについて

弊社は CDP気候変動コンサルティングパートナーとして、環境経営や気候関連の情報開示のご支援をさせていただいております。『専門知識がなく何から始めれば良いか分からない』『対応をしたいけれど、人手が足りない…』といったお悩みを持つ方がいらっしゃいましたら、弊社にお声がけいただけますと幸いです。

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