
質問書が統合し回答システムも大幅に変更されてから、2回目となった2025年のCDP回答。2024年のような大幅な変更はなかった一方で、「回答したものの、スコアリングの仕組みがよく分からない」「CDPを取り巻く近年の情勢変化を把握したい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、2025年CDP質問書の特徴やスコアリングの仕組み、2026年CDP回答に向けたポイントをわかりやすく解説します。
目次 Index

弊社では、2025年11月に「CDP2025総まとめ~質問書の“今”を理解し、2026年の回答改善へ~」セミナーを開催いたしました。本コラムでも紹介する内容に加え、より詳細な分析内容の解説や、リアルタイムの質疑応答の記録をお届けしておりますので、動画で学びたい!という方は下記ボタンよりお申し込みください。(無料です!)
CDPのホームページにて、2025年度のCDPスコア結果の通知時期が公表されました。
回答企業への個別のスコア通知→2025年12月10日
ホームページ上でのスコア一般公開→2026年1月中
2025年に回答した企業は、スコアが通知されたら2025年の回答振り返りをしていく必要があり、2026年度から新たに回答予定の企業は、どんなデータを集めて、何を開示すべきなのか整理する、といった準備を進めていくことになります。
2025年度のCDP質問書は、2024年度のものから質問内容・採点基準ともに大きな変更点はありませんでした。

2026年の質問書がどうなるかは現時点(2025年11月現在)では、CDP公式からの情報はありません。そのため、弊社で変更の可能性があると予想しているポイントを3つご紹介します。
1つ目は、CDP 2026の回答スケジュールについてです。基本的には、2025年度と同様のスケジュールになることが予想されています。ただし、CDP質問書自体に大きな変更がなされた2024年度と、システムのエラーがあった2025年度を乗り越えたこともあり、2023年度以前の従来のスケジュールに戻る可能性もあると予想しています。どちらのスケジュールでも対応できるように、早めの準備を進めておくとよいでしょう。
2025年度の質問書では、2024年度に引き続きModule10にプラスチック関連の設問、Module11に生物多様性に関する設問が設けられていましたが、これらは採点対象外とされていました。今後採点対象となる可能性があるため、余裕があれば事前に整理しておくとよいでしょう。
3つ目は、海洋関連の設問についてです。海洋に関する情報開示は、これまでCDP質問書では範囲外とされていました。しかし、TNFDや他のフレームワークではすでに対象となっていることもあり、企業の比較可能性を高めるために設問の追加が検討されています。
これらを踏まえて、2026年度のCDP質問書に回答予定の企業は今からどんな準備をしておくべきなのでしょうか。
まずは12月10日のスコア通知を受け取ったら、2025年度の回答振り返りを実施する必要があります。どこで失点しているのか、なぜ失点しているのかを分析し、課題の整理を進めていく流れになります。目標スコアに届いていない場合は、「得点率スコア」と「スコア要件」のどちらで未達なのかチェックすることも重要です。
本コラムでは、2025年のCDP回答の傾向と、2026年に向けて注目すべきポイントを解説しました。2026年度の質問書について、現時点(2025年11月)でCDP公式からの大きな変更点は公表されていません。しかし、弊社では今までは採点対象外だった「生物多様性」や「プラスチック」が採点対象になる可能性や、海洋領域の設問が追加される可能性があると予測しています。CDPの評価はISSB(IFRS S2基準)やTNFDといった他のフレームワークとの整合性を強める傾向にあります。スコアアップのためには、これらの動向をきちんと追っていくことも重要です。今後もCDPに関する情報を発信していきますので、ぜひご覧ください。
2025年CDP支援社数
200社以上
2025年CDP支援件数
300件以上
累計CDP支援件数
900件以上
※2025年10月時点
エスプールブルードットグリーンでは回答案の作成代行から皆様が気になるスコアの模擬採点まで幅広くサポートするサービスをご提供しています。2025年度は過去最高の200社以上、300件以上の回答支援を実施いたしました。完全版・中小企業版・気候変動・水セキュリティ・フォレスト等様々な質問書に対しご支援実績がありますので、お気軽にご相談ください。
2026年のCDPに向けた準備を含めて、よくある質問をQ&A形式でまとめました。
2025年度回答のCDPスコアの結果は
を予定されています。
2025年11月時点では、2026年度の回答スケジュールは公表されていません。
弊社の予測では、
①2025年度と同様のスケジュール
②2023年度以前のスケジュール(回答締切が7月)
の2パターンがあり得ると考えております。
2025年11月時点では、まだ2026年度の質問書の変更点は公表されていません。
弊社では、
・TNFDで取り扱われている海洋領域に関する設問が追加される可能性がある
・今までは採点対象外であった生物多様性・プラスチックに関する設問が採点対象になる可能性がある
と考えております。
CDP回答やGHG排出量算定など、環境経営に関するコンサルティングサービスの営業本部長を務めています。
<出典>
・CDP2025開示サイクル. CDP(2025年11月参照)
・2025年環境情報開示シンポジウム CDP2024回答結果分析報告会. 一般社団法人CDP Worldwide-Japan(2025年11月参照)